こんにちは。バイリンガルママのソフィアです。
当記事では、以下の悩みに答えます。
・海外で働くのに必要な英語力はどのくらい?
・TOEICが何点くらいなら英語力が足りているのかな?
国際機関や海外企業で働くのに必要な語学力を私の実体験を元に探ります。
目次
海外で働くのに必要な英語力
海外で働くと言っても様々な企業がありますので、まずは国連などの国際機関を例にとります。
国際機関勤務の最低条件は一般的に修士号(大学院卒)と2か国語(英語とフランス語もしくは他の国連公用語)といわれています。ただ実際にどのくらいの英語力があれば良いのかはあまり知られていませんよね。そこで今回は英語力に焦点を当てていきます。
外務省の説明
国際機関で働くためにはまず、職務遂行が可能なレベルの英語力が必須です。たとえば、苦もなく文書による報告ができる、会議を主催できるという程度の語学力は最低限要求されます。したがって、コミュニケーション能力や文書起案能力等を含む総合的な語学力を身につけることが必要です。
英語に加えて、フランス語やスペイン語をはじめとする他の国連公用語ができると、選考上有利に働くことがあります。
職務遂行可能な英語力はこのくらい
1.TOEIC850以上
2.英語の日常会話に苦労しない
3.英字新聞を辞書なしでも人に伝えられる程度には理解できる
4.英語の映画が字幕なしでも楽しめる程度には理解できる
この条件は私が自分の経験談を元に提示しました。その理由付けを以下でご紹介します。興味の無い方は読み飛ばして下さい。
職務遂行可能な英語力の理由付け(私の体験談)
国際機関ではないですが、私自身はシンガポールのグローバル企業での勤務経験があります。日本から派遣された駐在員ではなく、通常の面接を経て採用されました。同僚や上司に日本人はゼロ。公用語は英語。職場はローカルのシンガポール人が8割、残り2割は多国籍。シンガポール人はチャイニーズを話しますが正式な文書や会議は全て英語でした。
国際機関ではないですが、日本人がいない企業で英語だけで仕事をするという状況は同じなので比較対象としますね。
TOEICは850~900点程度
この時点での私の英語力の客観的な数値が残念ながらありません。(実は、海外企業の応募時にTOEICの点数が求められた事は無いです。それまでの経歴と面接で判断されました。基本的には英語力はあって当たり前と捉えられています)
しかし、その5年前の学生時代に就職活動の一貫として受けたTOEICで900点でした。そのため、シンガポールで働き始めた当初の英語力はTOEIC900点前後と仮定します。そこでシンガポールで仕事を開始した時どうだったかというと、やはりかなり大変でした。シンガポール英語の訛りが聞き取れなかったのも原因のひとつですが、一番の原因は大量の文書を英語で読み、英語で書類を作成するという作業に慣れていなかったからです。更に当たり前ですが全ての会議が英語です。
海外経験はあったので、シンガポール生活自体には問題はありませんでしたが、英語で仕事をするという経験が不足していたので慣れるまでに半年ほど時間がかかりました。
ただし、必死に仕事をしていればその仕事に必要な英語力は必然的についていきます。そのため、TOEIC850以上くらいあれば仕事はじめは苦労しますが、最低限の英語力としては足りているのではないかと個人的には結論付けます。
想像してみて下さい。明日までにNew York Timesを読んでレポート用紙10枚にまとめてきてと言われたら、「えええええ!」と思いませんか。海外で英語で働くのはこれが毎日続くような感じです。
他の条件(会話・新聞・映画)の理由付け
TOEIC以外の条件については、客観的な数値を取るのが難しいので、当時の私の英語力をもとに記載しました。
日本語を一切使わずに英語だけで仕事をするとは、つまり、英語の文書を読み、英語で文書を書き、英語でコミュニケーションを取ると言うことです。
特に口頭によるコミュニケーションは多少文法的に間違っていても伝わればOKですが、書く仕事だと文法的に間違いだらけの文書はネイティブにとってかなり読み辛いのである程度の英語力が求められます。(私も大分上司や先輩に、細かいところを修正されました><)
ここら辺は職種によって、タイトルによって、求められる能力は異なりますので、ざっくりと先程の条件にまとめた次第です。
上層部はネイティブが多いのは何故か
上記でTOEIC850点くらいから国際機関や海外企業での勤務が可能だとご紹介しました。しかしこれは飽くまでもエントリーレベル/新入社員レベルです。もし国際機関や海外企業で長く働きたいのであれば、その英語力では十分に職務を果たせなくなってきます。それを表す事実として、国際機関や海外企業の上層部にはネイティブが多いという実態があります。
職務遂行に必要な英語力があがるから
国際機関であれ、民間の海外企業であれ、上層部に行けばいくほど、どの組織でも自身の職務遂行に留まらず政治が必要となってきます。英語で職務遂行が出来るレベルがどんどん上がっていくわけですね。読み書き会話が英語で出来る程度では全く足りません。
細かいニュアンスにまで気をくばり、自分の製作物に対してどのような突っ込みがあっても切り抜けられるような表現を使う必要があります。そしてそれにはやはり英語力がネイティブかネイティブレベルでないと、自分が苦しくなってきます。
文化的な背景
そしてもうひとつ、文化があります。大企業で役員をしている知人の言葉が印象的でした。「結局さ、役員会も取締役会も仲良しクラブなんだよね。利益というパイを分けあう仲間。だから大切な利益を分け合いたくない人は仲間にいれたくないわけよ」
物凄くわかりやすい例だと思いました。
国際機関なので勿論国際色豊かである必要があります。また、国際機関は営利目的ではないので利益を分けあう仲間でもありません。しかし、気が合う人と一緒にいたいのは人間なら誰もが持っている根本的な欲求であり本能です。そのため、日本企業の取締役会がほぼ日本人で埋まるように、スイスのジュネーブにある国際機関の上層部も英語圏かフランス語圏の人で埋まるわけです。
言語だけでなく考え方や価値観が似ているからです
英語力がネイティブでないと国際機関で出世できないか
では、英語圏やフランス語圏の人間で無いと国際機関で生き残れないかというとそんなことはありません。
むしろ、その傾向は強いけれど、国際機関ならではの特徴として「国際色豊かな人材を揃える」という暗黙のルールがあります。その為、言語力と職務遂行力を磨けば、国際機関で生き残りやすくなります。何故なら、国際機関で働く日本人の数が少ないので出世しやすいとも言えるからです。
学生時代、「国際色を豊かにする」をモットーとした国際寮(学生寮)に応募したことがあります。大学の徒歩圏内だったこともあり何十倍という倍率でしたが、私はあっさり受け入れられました。
理由は簡単。「その寮に日本人が住んでいないから」
国際機関でも同じような状況が多かれ少なかれあるかもしれませんね(^0^)
まとめ
海外で働くのに必要な英語力をご紹介しました。是非参考にしてくださいね。
次回は、実際に国際機関や海外企業で働きたい方におすすめの英語勉強法をご紹介します。